障がい者のための実践的就職活動法

「障がい者として働く立場」と「障がい者を雇用する立場」の両方の経験を持つ現役会社員が就活のノウハウを公開

働きたいと強く思っているか

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

私は就労を目指す障がい者の方にお会いする機会が多くありますが、就労できるかどうかは働きたいという気持ちをどれだけ持っているかにかかっていると感じています。

 

そんなことは当たり前だろうと思う人もいるかもしれませんが、障がいをもっている人の生き方にはいろいろあります。障がい者は日本にだいたい700万人いますが、そのうち民間企業で働いているのは48万人です。一割に満たないということは、それ以外の生き方をしている人もたくさんいるということです。

 

特に注意していただきたいのが、自分が働きたいと本当に思っているのか、それともまわりの人が「働け」と言っているので就職活動をしているのか。それによってまったく違います。

 

しかたなく就職活動していて、しかたなく働こうと思っている人は、長く気持ちをもって働いていくことができません。企業の方は本当にその人が働きたいという意志をもっているかを見ています。

 

働きたいという意志を確認するのは、その人が企業で働くことによって、企業に貢献をして、利益を出してくれる、その前提となる条件だからです。

 

障がいをもっていても、企業に貢献してくれなければ、その企業は存続していくことができません。労働力を提供してきちんと利益をあげていく、そのために貢献をしていくというマインドをもっているかどうか。そこのところは特に厳しく見られます。

 

いままで学生生活を送っていた人、福祉施設で生活を送っていた人は、仕事をもらうという感覚の人が多いかもしれません。「受け取る」ことが習い性になっている人は、会社に給料以上の価値を提供する気持ちが弱い人がけっこういます。もっというと、雇用にかかるお金は給料だけではありません。一般的に給料の2〜3倍の仕事をしてもらわなければ困ると言われています。

 

そういう部分で就職活動の結果に差が出るものです。働きたい気持ちが自分自身の中に本当にあるのか。本当に熱く働きたいと思っているのか。最初にそのことを確認してください。

 

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もしもの時の雇用保険

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

これから就職活動をする方に失業の話をするのは、おかしな感じがすると思いますが、やはり障がい者が退職後にどうなるかは知っておく必要があります。

 

雇用保険とは、労働者が失業したときに、つまり会社を辞めたときに、一定期間、一定金額の給付金を支給して生活の安定を保証しようする社会保険です。いきなり収入がなくなってしまうと、生活ができなくなってしまいます。そこで、次の職が見つかるまでしばらくの間、生活を保証するのが社会保険雇用保険です。

 

この雇用保険というのは、実は障がい者の方に少し有利な制度になっています。雇用保険のなかでは障がいをもっている方、つまり、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者は、就職困難者として扱われます。

 

この就職困難者の給付金を受けられる日数は、健常者に比べて長い日数になっています。たとえば、1年未満で退職した方は150日、1年以上働いた方で45歳未満の方は300日、1年以上働いた45歳以上の方は360日、雇用保険が給付されます。給付金の額は一日当たりの金額に給付日数を掛けたものになります。

 

もし失業しても、1年間給付されることになると、やはり安心して就職活動できると思います。また、この会社でずっと働くと思っていても、「入社をしてみたら思っていた仕事と違った」「加齢とともに体力が落ち仕事を変えたい」など状況が変わることは十分あり得ます。もしものときのために、1年以上働いたら300日も雇用保険がもらえることを、頭の片隅に入れておいてください。

 

ただ、この雇用保険で注意することは、自己都合で退職した場合は、給付を受けられない給付制限期間というものがあり、3カ月間はもらえません。しかし、その後所定給付日数分をもらえます。

 

また、「失業」とは、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」ことをいうため、病気やけがのためすぐに就職できない方、妊娠・出産・育児のためすぐには就職できない方などは受給できません。

 

ぜひこの制度も、何かあったときのために覚えておきましょう。

 

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障がい者手帳のコピーは提出しなければならないのか?

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

障がい者採用の場合、履歴書・職務経歴書障がい者手帳のコピーの3点を応募書類として提出します。しかし、一般採用の場合は、履歴書と職務経歴書となります。それは、障がい者が応募してくるのを想定していないからです。

 

では、一般採用の場合は、障がい者手帳のコピーは提出しなくてよいのでしょうか。まず、障がい者手帳のコピーの提出は、就業規則に「必ず提出」などの記載がない限り、提出は任意となっています。つまり、障がい者手帳を持っていても出さなくても良いのです。しかし、もし応募する場合は、私は先に送っておいたほうがいいと思います。それは、お互い理解をして働いた方が良いからです。

 

「面接では障がいのことは話さず、入社をして困ったり問題が発生したりした時に相談する」という方もいますが、問題が起きれば会社や一緒に働く人に迷惑をかけてしまいます。また、「どうして事前に話してくれなかったのか」とその後の信頼関係にも影響します。応募をする時は、自分の事だけではなく周りのことも考えていただきたいです。

 

障がい者であることを伝えると不利になると考えている方がいるかもしれませんが、一概にそうとも言えないのです。

 

例えば、障がい者の採用をしたいと思っていても方法がわからず手つかずという会社もあります。そのような時に障がい者から応募があれば、「これはチャンス」とむしろ積極的に選考を行ってもらえるということもあります。

 

また、一般採用に障がい者から応募があった場合、個別対応で選考を行っていくという会社もあります。その一方で、障がい者手帳を出したときに、ガラッと会社の考え方が変わることも現実としてあります。

 

こればかりは応募してみなければわかりません。その会社がどのような考えを持っているか知るためにも最初に提出してしまった方がよいと思います。応募者にとっても時間の無駄がなく効率的に就職活動を行えます。

 

企業にとって障がい者を雇うことはメリットがあります。法定雇用率のカウントにもなりますし、それに伴い納付金制度でも有利になります。あなたを雇うことで、法定雇用率を達成できるのであれば、会社は社会的責任を果たしているということもできるのです。

 

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一般採用での障がいの伝え方

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

健常者と同じ新卒採用・中途採用に応募をする場合、障がいをどのように伝えるかという問題があります。

 

一般採用の場合、集団面接やグループディスカッションなど他の応募者と選考が一緒になることがあります。そのような時、面接官の方から障がいについて聞かれることはまずありません。そうすると自分から伝えなければなりません。

 

一般採用で応募をする場合は、重要なのは早い段階で障がいを持っていることを伝えることです。一番良いのは、応募種類提出時に障がい者手帳のコピーも一緒に送ってしまうことです。また、面接では最初に自己紹介をしますので、そこで簡潔に伝えるとよいでしょう。

 

「私は脳性麻痺という障がいを持っています。一見外回りは不向きに見えるかもしれません。しかし、私は人と接することが好きで、これまで5年間営業の仕事をしてきました。1社あたりの売上高では何度か成績優秀者にもなりました。担当できる顧客数は少ないかもしれませんが、どの企業も丁寧に対応し御社に貢献していきます」

 

障がいを逆手にとってインパクトを与えるのも方法の1つです。

 

会社は付加価値を生んでくれる人を求めています。これは障がいの有無に関係ありません。障がいがあるということが伝わったのなら、あとは自分の能力を伝えることに集中しましょう。他の応募者がスキル・実績などをアピールしている時に、配慮してほしいことばかり話していたらどうしても不利になってしまいます。

 

たとえ障がいのことが伝わっているか不安と感じても、選考が進んだのなら障がいのことも含めて理解されたと考えてよいと思います。企業には安全配慮義務があり従業員が安心して働ける環境を整える義務があります。当然そのようなことも考えながら採用活動を行っております。例え話し足りないと思ってもどこかでそのタイミングはやってきます。

 

私が新卒で入った会社は一回の面接で内定が決まりました。一次面接が役員面接で、しかも学生5人と役員が複数というかたちだったので、障がいのことを話すタイミングがなく、内定をもらったのに大丈夫かなと思いました。

 

内定者の集まりが入社の1カ月前にありました。内定者同士が顔合わせ、人事部長とお茶を飲みながら話す、2時間くらいの会だったのですが、その会が終わった後に「紺野くんだけちょっと残ってもらえる?」と声をかけていただきました。

 

その後、2時間話したのですが「その時間をもらえて、ああ、やっと理解ができた。話すことができてよかった」と思いました。本来であれば、やはりもう少し前にそういう時間がもてたら、もっとよかったとは思います。

 

一般採用では早い段階で障がいのことを伝える、その後は能力を伝えることに集中するのがポイントです。

 

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一般採用で就活する

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

障がい者の就職活動の方法は大きく2つに分かれます。それは障がい者採用と一般採用です。一般採用とは、健常者と同じ新卒採用・中途採用に応募することです。初めてこのような話を聞く方は「障がい者が応募して良いのか」と感じるかもしれませんが、一般採用で入社をして活躍している障がい者は多くいます。

 

一般採用の魅力は、職種や待遇で制限を受けないことです。私が障がい者採用で就職活動をした時、募集職種はサポート業務・補助業務というのがほとんどでした。私は障がいがあっても責任をもって仕事をしたいと思っていましたので、「配慮=補助業務」というのに強い違和感がありました。しかし、一般採用ではそのようなことはありません。

 

企業が人を採用するのは、会社の発展に貢献してもらいたいからです。これは障がいがあってもなくても同じです。たとえ配慮に時間や費用が掛かったとしても、それ以上の成果を上げてくれるのであれば企業は喜んで採用します。わかりやすい例でいうと、社会保険労務士システムエンジニアなど専門的な知識を持っている方は、引っ張りだこです。もちろん、一般採用で入社をした場合は成果に対して障がいを理由にすることはできませんが、自分の可能性にチャレンジしてみたい方にはお勧めです。

 

特に、2016年4月に改正障害者雇用促進法が施行され差別の禁止・合理的配慮の提供が義務化されたこともあり、一般採用で応募するのは今がチャンスと言えます。

 

一般採用で応募する時、注意することがいくつかあります。まず、必要な配慮は早めにお願いしておいた方がよいです。障がい者が応募してくることを想定していない企業や対応に慣れていない企業も多くあります。せっかく応募をしても十分に力を出し切れないのは、非常にもったいないです。

 

また、残念ながら理不尽な対応をされることもあります。そのような企業に出会った場合は、「入社前にわかってよかった」と考え次に進みましょう。こればかりは応募をしてみなければわかりません。不採用の数は多くなりますが、諦めず続けていれば自分と会う会社が見つかるはずです。

 

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なぜその会社に入りたいのかが重要

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

面接で必ず聞かれることの1つに志望動機があります。志望動機を考える時注意しなければならないのは、「どんな仕事をしたいか」だけではなく「なぜその会社で働きたいのか」を明確にすることです。この部分が抜け落ち残念な結果になっている方がいます。

 

「自分は経理の仕事をしたい。A社でもB社でもどちらでもよい」と思っている応募者がいたとしましょう。もしこれを面接で伝えたら「どこの会社でもよいのなら、うちでなくてもよいのですね。私たちはうちの会社で働きたいと思っている方に入社をしてもらいたいのです」と不合格になることが多くなります。

 

これは会社それぞれに文化・風土があるからです。例えば、協調性を大切にする会社であったり、チャレンジ精神や個人能力を重視する会社であったり様々です。この部分で違いがあると会社に馴染めず、会社の目標とする成果を上げていくのが難しいからです。会社の方向性・ベクトルとあっているかというのが重要なのです。

 

では、志望動機はどのように考えればよいかというと、その企業を研究することです。まずは応募する会社のホームページを見てみましょう。ほとんどの場合、企業情報というのがあり、そこには理念・ビジョンが掲載されています。これがその会社の目指している最終ゴールとなります。これに共感ができなければ、一緒に仕事をしていくのは非常に難しいです。ゴールに納得できなければ、仕事を頑張れるとは思えないからです。さらには、業界誌や関連するホームページを見てみるとよいでしょう。

 

採用担当者も志望動機は重要視しています。どの程度入社したいと思っているかが一番わかるからです。ここに書きました通り、企業研究には時間がかかります。とりあえず応募している人は瞬時にわかるからです。応募をする時はしっかり志望動機を練りましょう。

 

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働くことで得られるものは

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

「自分は障がい者なのだ」。そう強く感じたのは働こうとしたときでした。

 

私は重度の脳性麻痺という障がいを持って生まれましたが、4年間の入院で歩けるようになりました。その後は普通学級で生活を送り障がいを意識することなく過ごしてきましたが、働こうとした時に障がいが大きな壁となりました。

 

初めて働こうと思ったのは大学生の時。アルバイトをしたいと思ったのですが、どこも「障がい者だから」という理由だけで断られました(20年前はまだこのような差別がありました)。探し続けてようやく見つけたのが個別指導塾の講師でした。

 

この仕事が見事にはまりました。まず労働の対価として給料をもらえるのが純粋に嬉しかったです。自分でも稼ぐことができるのだと実感し、大きな自信となりました。そしてそれ以上に、生徒が喜んでくれるのが嬉しく、もっともっと頑張ろうと思えました。

 

また、仕事を続けていくと、どうすればうまくできるだろうと工夫をするようになります。生徒を育てる一方、自分自身も成長していったのです。できることが増えると自信が湧き、新しいことにもチャレンジしてみようという意欲も湧いてきます。

 

もちろん失敗したり悩んだりすることもありますが、それも成長の過程のひとつです。乗り越えた時、さらに大きな喜びを感じるでしょう。

 

また、会社にはたくさんの人がいます。多くの人と関わることで世界が広がり一生涯付き合っていける人に出会う可能性もあります。私自身がそうでしたが、人との出会いは確実に人生を変えます。

 

「強い自負心が生まれる」「生き抜く力が磨かれる」「成長できる」「たくさんの人と知り合える」「世界が広がる」「一生の友達ができる」・・・

 

働くことで得られるものはたくさんあります。この喜びを多くの方に感じてもらいたいです。

 

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