障がい者のための実践的就職活動法

「障がい者として働く立場」と「障がい者を雇用する立場」の両方の経験を持つ現役会社員が就活のノウハウを公開

47万人の障がい者が働いている

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

私が大学4年時、初めて就職活動をしたとき、不安で仕方がありませんでした。当時、障がい者採用と一般採用というのを知らないで、一般採用で就職活動をしていました。

 

友人たちはどんどん選考が進んでいくのに、私は一次面接すら通過しませんでした。ある会社の面接では「うちは障がい者は雇わないから」とにべもなく断られました(当時は障がい者に対する差別がまだまだありました)。

 

障がい者が働くのは難しいのではないか、障がい者で働いている人はいないのではないか、と不安になりました。しかし、現在民間企業で働いている障がい者は474,374人もいます。対前年で4.7%増加、この雇用者数は13年連続で過去最高を更新しています。

 

私がなぜ不安に感じていたかというと、周りに同じ境遇の人がいなかったからです。同じ境遇の人がたくさんいることを知ると、自分もできるかもしれない、と思えてくるものです。まずは障がいをもって働いている人に会うことが、自分も就職できるんだと思える第一ステップです。

 

では、どうすれば働いている障がい者の人に会えるかというと、学校の先生、家族、友人に紹介してもらえないか聞いてみるのが一番だと思います。もし、それでも会えなければ、たとえば働いてみたい企業に「障がい者の先輩社員にお会いできませんか?」と聞いてみるといいでしょう。

 

新卒採用であればOB訪問、OG訪問を受け入れている企業もけっこうあります。中途採用でもきちんと誠意をもってお願いすれば、対応してもらえる企業もあると思います。

 

どんなふうに就職活動をしたのか、働いていて悩んだり苦しんだりしたこと、どういうことに気をつければ良い就職活動ができるのか、などを聞いて不安を和らげるのは、良い就職活動に繫がると思います。最近は障がい者向けのインターンシップを行っている企業もあり、調べて、実際に働いている人に会ってみるのもいいでしょう。

 

まずは会うこと。そこからやるべきことが見えてくるものです。

 

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印象に残る履歴書の書き方

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

就職活動ではまず応募書類を提出することになります。障がい者の場合は履歴書・職務経歴書(職歴がある方)・障がい者手帳のコピーの3点を提出します。

 

そもそもなぜこれを必要なのでしょうか。それは応募者のことを知るためです。多くの企業は、書類選考から始まります。たくさんいる応募者の中からどうすれば選ばれるのか工夫する必要があります。私は、障がい者の就労支援の場で「就職活動は競争です。選ばれるためには、自分自身を調理して美味しく見せる必要があります」という話をよくします。

 

学歴や職歴は変えることはできませんが、工夫できるところはいくらでもあります。採用担当者の方が一番気にしているのは、「どこまで仕事を頼んでよいのか」ということです。企業には安全配慮義務があり、仕事で怪我や事故などが起こるとその責任を問われることもあります。たくさん仕事をしてほしいと考えてもどこまでお願いして良いかが分かりません。

 

この点を踏まえ、応募者はできること・仕事の能力を積極的に書いてください。例えば、小さな役職でもついたのであれば書いた方がよいです。健常者に比べ障がい者で役職につく人はまだ少ないからです。また、趣味などの欄も活用しましょう。私はホノルルマラソンに出場した経験があるので「趣味:マラソン」と書きました。意外性・ギャップを生むと興味を持ってもらえます。どうすれば採用したいと思ってもらえるか。採用担当者の不安を解消できるか。相手の視点にたって応募書類を準備してください。

 

最後に、応募書類は内容だけではないということをお伝えします。せっかくよい内容でも字が雑であったり紙が汚れていたりするとよい印象とはなりません。字に自信がないのであれば、ワードやエクセルなどでつくるのも方法の1つです。最近はインターネットに無料のテンプレートなどもあります。また、応募書類を送る時、封筒の宛名も丁寧に書くようにしましょう。このような細部にその人の性格があらわれます。全て見られているということを忘れないようにしてください。

 

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面接で障がいのことをどう伝えるか

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

障がい者の就職活動において障がいのことは必ず聞かれます。採用担当者は、あなたのことを正しく理解したい、入社となった場合安心して働いてほしい、と考えているからです。

 

障がい者手帳のコピーを送れば理解してもらえると考えている方がいるかもしれませんが、そのようなことはありません。面接官は障がいのことはほとんど知らないと考えておいた方がよいです。もちろん障がい者雇用に長年従事し専門的な知識を持っている方もいますが、そのような方は少ないです。むしろ、障がい者雇用に慣れていない、初めて行うという企業の方が多いです。

 

同じ障がいでも状況はひとりひとり異なります。面接では自分の言葉で障がいについて伝えることが重要です。何ができて何ができないのか、どのようなサポートが必要かなどあらかじめまとめておきましょう。

 

私が初めて勤めたのは、ホテルの購買課でした。事前に内勤の仕事と聞いていたので問題はないと考えていましたが、実際に仕事が始まると倉庫の整理など肉体労働をありました。そこで、転職する時は「10kg以上のものは運べません」「キーボードを打つスピードは健常者の半分程度です」と具体的に伝えるようにしました。

 

また、身近な人にも聞いてみてください。自分のことは、実は自分が一番わからないものです。周りの人がサポートしてくれてできていることも多くあります。日常生活では周りの人が先回りして助けてくれることがありますが、仕事ではそのようなことはありません。会社はお金をもらって労働力を提供する場ですので、自ら伝えなければ問題ないと考えられてしまいます。些細なことこそ伝えておいた方がよいのです。

 

面接は相互理解の場です。入社することが目的ではなく、その会社で働き充実した人生を送ることがゴールです。「入社してから違った」とならないようにするためにも、障がいを自分の言葉で伝えられるようにしてください。

 

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面接官も不安がいっぱい

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

応募書類を送り面接を受けていると、自分は選んでもらう立場だと感じ、受かるだろうかと、とても緊張してしまう方もいるかと思います。相手は採用のプロだと考えてしまいがちですが、実はそうでもありません。

私は障がい者雇用の研修をさせていただくことがありますが、
「上司から障がい者採用の担当になるように言われましたが、何から始めたらよいかわかりません」
障がい者の方にこのようなことを聞いてもよいのでしょうか。失礼になりませんか」
という相談をよく受けます。

これまで障がい者とほとんど関わったことがなく、どのように接したらよいかわからないのです。実はこのような方はたくさんいます。

私がいつも言っているのは「わからなければ相手に聞けばいい」ということです。もし相手に質問して「どうしてそんなことを聞くんですか?」と言われたたら、謝ればいいだけです。コミュニケーションをとるなかで、わからないことがあれば普通に聞きますよね。そういうレベルのところから、企業の方は不安に思い、どうしたら障がい者を雇えるのだろうかと考えています。

よく聞く話としては、どこまで仕事をお願いしてよいのか、どこまで厳しくしてよいのか、どのような配慮が必要なのか、といったことです。たくさんの仕事をしてほしいと思っても企業には安全配慮義務があり、怪我などをさせてしまうとその責任を問われる場合があるからです。

このように障がい者雇用に慣れていない企業はまだまだあります。さらに、現在2.0%の法定雇用率は、来年4月から2.2%に上がります。それに伴い、初めて障がい者を雇用する企業も今後増えてきます。

これから就職活動をする方は、このようなことを頭の片隅に置いておいてください。そして、面接ではできること・できないこと・必要な配慮などを伝え、相手の不安がなくすようにしましょう。そうすることで一緒に良い雇用関係を作っていけるのではないかと思います。

 

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障がい者の平均勤続年数は?

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

障がい者はどのくらい勤めたのち退職をしているのでしょうか。また、どのような理由で退職をしているのでしょうか。このような障がい者の雇用に関する様々な情報がまとめられたものがあります。それは、厚生労働省が5年に一度実施している「障害者雇用実態調査」です。平成25年度のものを見ていきましょう。三つの障がいごとに特徴があります。

※障害者雇用実態調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/111-1b.html

まず、身体障がい者についてですが、平均勤続年数は10年となっています。平均転職回数は2.2回です。辞めた個人的理由については以下となっています(複数回答)。

1.賃金・労働条件に不満 32%
2.職場の雰囲気・人間関係 29.4%
3.仕事内容が合わない 24.8%
4.会社の配慮が不十分 20.5%

これを見ると、実は「会社の配慮が不十分」が4番目となっていて意外と小さいことがわかります。

では、知的障がい者の場合はどうでしょうか。平均勤続年数は7年9カ月となっています。退職理由は、このデータには載っておらず、いまの仕事をずっと続けたいと思っている方は52.3%と、半分を超えています。おそらく仕事に慣れてくると、他の仕事に変えるよりも、同じ仕事をずっと続けていきたい傾向が強くなるように思われます。

最後に精神障がい者です。平均勤続年数は4年3カ月となっています。辞めた個人的理由については以下となっています(複数回答)。

1. 職場の雰囲気・人間関係 33.8%
2. 賃金・労働条件に不満 29.7%
3. 疲れやすく、体力・意欲が続かなかった 28.4%
4. 仕事内容が合わない(自分に向かない) 28.4%

「障害者雇用実態調査」には、このほか賃金や配慮についてなど雇用に関する情報が45ページにわたり書かれています。障がい者の雇用実態について知りたいという方はぜひご覧になってみてください。

 

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強みは自分ではわからない

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

 

組織で働く一番の魅力は、ひとりひとりが持つ弱みをないものにできることです。例えば個人でビジネスが行っている場合、商品作成・営業・経理など全ての業務を自分で行わなければなりません。苦手な業務があっても、自身で解決しなければなりません。

 

しかし、企業には多くの人が働いています。「Aさんが苦手なことも、Bさんならできる。Bさんができないことも、Cさんが得意」と互いに補いあうことができます。組織で重要なのは、できないことに目を向けるのではなく、できることや強みを活かして組織の発展にどう貢献してもらうか考えていくことです。

 

これから就職活動をする方は、「自分自身の強み」をぜひ明確にしてください。この時これまでの経験や実績を振り返って考えることになるかと思いますが、それと同時に周りの方に「私の強みは何だと思うか」と聞いてみるのをお勧めします。

 

強みというのは、その人にとって当たり前にできることなので、自分自身で気がついていないことも多くあるからです。例えば、小さな子どもは「今日、歯を磨けた。凄いでしょ!」と自らアピールします。しかし、大人になって歯を磨けたことをすごいという人はいません。それはもう体にしみこみ当たり前になっているからです。ですので、その方が強みと考えていることは、「強みと思われたいことで、まだ強みになりきっていない」と言われることもあります。

 

採用担当者も応募者の強みが分かると「それではこの仕事で活躍してもらおう」とイメージが湧きます。この機会に身近な人に聞いてみて自身の強みを明確にしてみましょう。

 

また、「さぁ、才能(自分)に目覚めよう」という本も強みに気づくのに参考となります。この本には「ストレングスファインダー」へのアクセスIDがついており、回答すると強みの資質が表示されます。ちなみに私の場合は「学習欲・未来志向・最上志向・調和性・共感性」となっています。こちらの本もぜひ参考にしてみてください。

 

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6万人の障がい者が登録する就職サイト

障がい者の就活ガイド』著者の紺野大輝です。

障がい者の求人情報を得られるのはハローワークだけではありません。その他にはどのような方法があるのでしょうか。それは就職・転職サイトです。

障がいのない方を対象とした新卒採用・中途採用ではリクナビマイナビなどが有名ですが、実は障がい者のみの求人に特化した就職・転職サイトがあります。大手のひとつのサーナには延べ6万人以上の障がい者が会員登録しています。これを使わない手はありません。

※サーナ
https://www.web-sana.com/

応募者にとって何よりのメリットは、会社や仕事のイメージが湧きやすいことです。ハローワークの場合情報は求人票のみとなりますが、就職サイトでは職場の写真や先輩社員からのメッセージ、求める人材像やこれまでの採用実績など様々な情報が掲載されています。情報が多いと自分が希望する会社かどうか判断しやすくなります。

会員登録すると履歴書や職務経歴書などの情報を入力することになりますが、一度登録してしまえばそれを使ってたくさんの企業に応募ができるので手間も省けます。特に障がい者に特化したサイトの場合、障がい者手帳の情報を入力する欄があったり、配慮してほしいことを選択できるようになっていたり、障がいのことについても伝えやすくなっています。

このような媒体に掲載しているのは、障がい者を積極的に採用したいと考えている企業です。掲載には多額の費用がかかり、掲載期間も限られているからです。企業は一番採用したい時期にピンポイントでこのような媒体を使用します。

また、サイト運営者は、企業に求人を掲載してもらうことで利益を得ています。企業が求人を掲載して採用ができなければ、次回からサイトを利用してもらえません。そこで、多くの障がい者に応募をしてもらえるように就職活動のノウハウを提供したり、合同企業説明会を開催したり、カウンセリングを行ったりしています。応募者は基本的に無料でサービスを利用できますので、ぜひ活用してみてください。

注意する点は、たくさんの方が利用しているということを忘れないことです。あなたにとって利用しやすいということは他の障がい者にとっても利用しやすく、企業にはたくさんの応募がきていることになります。たくさんの応募に埋もれないためにどうすればよいか対策が必要です。特に私は、「応募時にその企業独自の質問がある場合は必ず回答する」ように伝えています。

 

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